クラシック音楽のコンサート・イベントの企画運営・録画録音

森下 唯 ピアノ・リサイタル 彼自身によるプログラム・ノート



 埋もれていた作曲家、などと言われると、きっとその作品はどこかぼんやりしていたり、複雑すぎたり、ともかくぱっと聴いて魅力を理解するには難しいのだろう、と考えてしまいそうだ。実際、大抵の場合はその通りである。しかしアルカンの音楽はまったく違う。明快なアイディア、時代の先を行くセンス、限界を突破していく過剰性、それらの中に光って見える真摯な魂。個性の強さ故、受け入れられるまで200年かかっただけの話なのだ。よき作品というのは、作者の魂に灯った火をわけてもらえるような作品だと思う。アルカンの作品には、必ず火が燃えている。
 今回、初めてオール・アルカンのプログラムを組むにあたり重要視したのは、ここでしか聴けない内容にすること。そしてさまざまな年代の作品、さまざまな音楽的側面に触れることで、彼の魂の炎をより近く感じられるような内容にすること。うまく実現できただろうか? 既に関心をお持ちの方にとってはひときわ興味深く、また初めて触れる方にとっては驚きに満ちた、アルカンの魅力をあますところなく楽しんでいただけるプログラムであるよう願っています。

ドイツ風メヌエット 作品46

悲愴な様式による3つの曲 作品15


歌曲集 第5巻 作品70

すべての長調による12の練習曲 作品35 第3, 8, 7番

スケルツォ・フォコーソ 作品34

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